朝日新聞の9月2日の夕刊に
・路面に安部首相の顔を落書きして通行人に踏ませよう
・「原発再稼働反対」と書いた偽物の交通標識の立てよう
・紙幣に「アベノミクスで価値半減」と朱書きしよう
などと犯罪を推奨するようなコラムを書いた作家の池澤夏樹が
北海道の道立文学館の館長に就任したそうです。

池澤夏樹さん、道立文学館の館長に就任

「実は名刺を持つのは初めてです」。あまたの文学賞に輝き、翻訳や評論でも第一線で活躍する作家、池澤夏樹さん(69)が、「北海道立文学館館長」
に就任した。寄せられる期待に頭をかくが、郷土の文芸活動を支える使命に「責務と感じる。文学的な運動を起こす拠点にしたい」と意気込む。

 平成21年、6歳まで育った故郷・北海道に戻った。北海道の外で長く暮らしたが、夏の緑の山々、冬の白い大地、小樽市で4歳の時に初めて見た青く輝く海と、北海道は常に心の中にあった。

 
北海道の開拓時代を舞台にした歴史小説「静かな大地」を書いた時は、祖先をたどり、北海道平取町二風谷(にぶたに)にある「萱野茂(かやのしげる)二風谷
アイヌ資料館」に通った。「萱野さん自身にもずいぶん手伝ってもらって。あの小説を書いたから、自分は北海道の作家と胸を張れる」

 この経験が、訪れた土地について調べ、執筆に生かすスタイルにつながった。館長就任を決意させたのは「いろんなものをくれた北海道への恩返しの気持ち」という。
組織を運営することに不安はあるが、「北海道と似た風土を持つ、例えば先住民族の作家を呼んで、アイヌ文学と比べるのも面白いよね」。文学的な連帯を生み
出すアイデアは次々浮かぶ。

 第1巻で古事記の新訳に取り組んだ個人編集の「日本文学全集」(全30巻)の刊行が、11月に迫る。2年以上かかる大仕事と館長職との二足のわらじ。その傍ら小説も書く。しばらく長期旅行はお預けになりそうだ。