同社は2014年9月3日、看板商品のドライケーキ「ヴィクトリア」と生ケーキ用バタークリームに使用する無塩バターの約27%について、9月1日以降の仕入れ分から福島産原乳を使用したものに変更するとツイッター上で告知した。

福島県内の各乳業施設は毎週1回、放射性物質調査を実施している。牛乳のセシウム(134、137)基準値は50Bq/kg。検出下限値は測定条件や測定試料によって毎回異なるが、ここ1年の値を平均すると2~4Bq/kg程度だ。調査結果をみると、飯館村の乳業施設で5Bqのセシウム137を検出した2011年5月以降は検出下限値を下回っている。

銀座ウエストはこの調査結果に触れた上で、

「科学的根拠に基づき、安全が確認されている以上、いたずらに福島産食品を敬遠する事は風評被害を拡大することにほかなりません。ウエストでは安全が確認された福島産食品を今後継続使用していくことを考えております」

と表明した。

ツイートはすぐに反響を呼び、「断乎支持します。優れた材料を自ら評価して使うのは、立派な見識」「こういう形で復興支援になるのであれば、喜んで力になりたいと思います」といった支持の声が数多くあがった。

しかし一方で一部から疑問や非難の声も寄せられた。送り主はおもにプロフィール欄に「脱原発」「反放射能」などと書かれた人たちで、

「うわぁ。。もうWESTのお菓子は買えない…」「放射能汚染の酷い銀座だけに、脳被曝してるのかしら?」「銀座ウエストが福島産食品使用を宣言とは!また人生の楽しみがひとつ減った。さらばリーフパイ。さらばウエスト」

などと今回の決断を問題視した。

銀座ウエストもこうした反応があるのは覚悟していたようで、4日には「多くのご批判を覚悟の上でのツィート(原文ママ)でしたが、思った以上のご賛同を頂き、驚くと同時に勇気も頂き、本当にありがとうございました」とツイート。その上で、自社だけでなくすべての食品会社が安全と判断した福島産食品を臆さず使用していくことが早期復興につながるとの思いを綴った。