毒樹の果実とは

それでは、「毒樹の果実」について簡単に触れてみよう。

違法に獲得された証拠

例えば
拷問による自白など、違法に獲得された証拠には、証拠能力がない。
ご存じの方も多いと思うし、ここまでは納得して頂けると思う。

違法収集証拠排除法則と言う。

毒樹の果実とは。
果実とは、成果(証拠)を示す。
樹とは、その成果を得られたルートを示す。

毒樹とは、「違法な手続きをとったルート」となる。
毒の樹に実った果実は、全て毒入りで食べられないという意味で理解して頂きたい。

拷問による自白など、違法に獲得された証拠には、証拠能力がないが ←毒樹
そこから派生して得られた二次的な証拠にも同じく証拠はない。 ←毒樹の果実

これを毒樹の果実の法理と呼ぶ。

証拠の排除に用いる。
警察の捜査などであがってきた証拠、この証拠を「排除」する際に用いられる理論で、
弁護側としては「是非とも潰したい証拠」があった場合、この論法で潰す。

証拠の消し方
その情報が「違法な手続き」によって得られた証拠の場合は、証拠能力を失うことは述べた通り。拷問による自白などだ。

二次的な証拠も消せる
その「拷問による自白」により、他の物証があがったとしよう。
実は、その二次的な証拠(物証)も排除されるのだ。

この可否判定を、司法分野の「毒樹の果実」を用いて当てはめた場合。
メディアは事実上、動けなくなる。

警察が強硬に違法な取り調べを行ったとして、その証拠は採用されない。
メディアは再三にわたって「壁耳【取材】」と取材という合法な手続きを指す言葉とセットで自己弁護を行っているが、私は「ただの盗聴」であって違法な手続きだと認識している。

であるならば、【壁耳取材から派生して得られた証拠】は、その全てが使用不可であるはずだからだ。