リスク・マネジメントの世界では、「危機は必ず起きる」という大前提に立って対応を進める。日本は、北朝鮮の弾道ミサイルの射程範囲に国土がすっぽり入る。日本全土のどこに着弾してもおかしくない。

米国では、わずかにハワイと西海岸が射程内だ。米国に損害や犠牲が出る可能性は少ない。そのわずかなリスクに対しても、FAAは最善の措置をとった。リスク・マネジメントとしては、米国が正しい。

米国よりも北朝鮮に近く、ミサイルの脅威に頻繁に脅かされている日本人の危機感はあきれるほど薄い。日本政府は、北朝鮮の軍事的脅威を甘く見ている。

想像してほしい。160キロトンの核弾頭が空中で爆発した場合、半径1・5キロ以内では、ほぼ100%が即死し、半径2キロ以内では緊急治療がなければ数週間で50~90%が死亡するレベルの致死性放射線を浴びる。

空振りになっても「国民を守ろう」と動いた米国と、「遺憾です」というだけの日本。これでいいのかと疑問に思う。

【国防を考える】日本の迎撃システムに限界 北の「極超音速ミサイル」発射実験 米FAA「予防措置」も日本は「遺憾」のみ、これでいいのか(2/2ページ) – zakzak:夕刊フジ公式サイト (via chikuri)