北朝鮮の民主化・人権問題を、大マスコミが基本的に”タブー視”している点にある。「何か書くとゴチャゴチャと朝鮮総連がうるさいから……どこの新聞社にも、こういう”リアリスト”の記者がいる。とくに、取材の第一線から外れたデスクに「触らぬ神にたたりなし」の傾向が強い。実際、朝鮮総連による組織的な抗議活動はすさまじい。北朝鮮や朝鮮総連に不都合な報道をしたメディアは集中攻撃を浴ぴてきた。それでも第一線の記者は、勇気をだして記事を上げる。だが、デスクが「塩漬け」にしてしまう。前述の「RENK襲撃事件」では、その傾向が如実に現れた。同事件に関する新聞各紙の扱いは小さかった。大阪府警による朝鮮総連大阪府本部への家宅捜素、およぴ同事件への朝鮮総連の組織的で計画的な関与の証拠押収という「史上初、空前絶後」の出来事。これについても同様だった。もちろん、第一線記者は熱心に取材する。私への取材も「夜討ち朝駆け」状態だった。ところが、問題の核心に触れる記事はついに出なかった。
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