自分の歌詞が盗用されてCDになっているらしい、と知って、何はともあれ真っ先に連絡したのは日本音楽著作権協会、いわゆるJASRAC。デビューして以来08年までは出版社を通じて、10年に個人会員となってからは信託契約というかたちで、私の作品の著作権はJASRACが管理している。連絡した時点で相手もわかっていたので、当然JASRACの方から相手に対して、ダメですよー、と言ってくれるもんだと思い、電話して事情を説明したところ、こんな答えが返って来た。「うーん、それは当事者同士でお話し合いいただくしかないですねえ」

は?

あのー、と、いちおう食い下がった。そちらに登録してある私の作品が勝手に使われて、タイトルも変えられて、CDも出ちゃってるみたいなんですけど、JASRACはカンケーないんですか? すると、「うーん、それは人格権に関わることで、JASRACは管轄外なんです」

人格権?管轄外??

なんだか動揺してしまって、やり取りをあまりよく覚えていないのだが、思いついて最後にひとつ聞いてみた。もし出るとこに出るようなことになったら、JASRACに登録してあるってことは、これは私の作品ですっていう証明になるんですよね? 「うーん」とすこし間があって、電話の向こうの男性担当者の答えはこんなふうだった。「JASRACとしては登録申請のあった作品をお預かりする、ということで、実際どなたが書いたものかということは問題ではないので、厳密な意味での証明にはならないと思います」

(しばし絶句)