憲法九条が何をしてきたかと言えば、額面通り読んでも、そしてある時期までの憲法学の主流解釈でも、非武装というまともな安全保障論からは到底採用しえない内容を示すため、政府が真っ当な安全保障政策を取る限り常に政府批判が行えるという、非常に便利な道具を政府批判者に与えてきただけであろう。