誰も自分のしていることに誇りを持ち、社会に認められたいと思っています。日本では、「専業主婦」というと社会的に立派な役割を果たしていることがある程度認められています。つまり、日本の主婦が家庭でする仕事を価値あるものとして社会が評価しています。ところが、スウェーデンでは、Hemmafru(家にいる婦人)という言い方をしますが、社会はHemmafruを評価してきませんでした。

 その理由は、歴史にあります。スウェーデンでは、日本のように、夫が給料を妻に渡し、妻が家計の管理をするという習慣がなかったのです。スウェーデンの夫は、家の経済的な権限を女性に渡すことはしませんでした。

 主婦は、無報酬で家事、育児をする女性にすぎず、社会的な地位もなく、男女間の不平等への不満が女性の間に高まったのです。そして、今では、男女が平等に家事・育児をシェアすることが当然だというオピニオンになっているのです。