では、スウェーデン女性はどのような仕事に就いているのでしょうか。

 一番多い女性の職種は、保育と医療、福祉、教育の分野です。かつて、女性が家庭でしていたことの延長線の仕事を選んだといえます。つまり、女性が働くようになると保育士や高齢者福祉センターで介護士の仕事が必要になったので、まずそれらの職種についたのです。

 そのほか、看護師、教師という仕事も女性が独占的です。また、自治体に保育、教育、高齢者福祉の管轄の責任があるので、その関連の自治体での事務や専門職にも女性が多く働いています。また、レストランやホテルなどのサービス業も女性が多いです。スウェーデン女性が自己実現しているといっても、大企業で華やかな職種についている人や、芸術家が多いわけでは決してありません。

 20~64歳の女性の81%が働いているのですが、フルタイムで働いているのは約60%ほど。約30%は、週に20~35時間のパートタイムで働いています。ただ、パートタイムでもスウェーデンでは、時給や社会保険などの労働条件にフルタイムの人と差はありません。

 スウェーデン女性は、まず働けることから始め、働きながら研修を受け、試行錯誤しながら自分が本当にやりたいことを見つけ、自分の道を作っていっていると思います。

 日本でも今後、保育、医療、福祉、教育の分野の仕事がもっと増えると思います。働くことのハードルが高いと考えないで、働けるところから始め、自分の道を見つけてほしいと思います。