カツオについて

美味しんぼ:本当に美味しいのは初夏の初鰹ではなく、脂の乗った冬の戻り鰹

おせん:初鰹のさっぱりしたあか抜けた味をカラシと酢醤油で喰うのが本当の魚食いであり、江戸の粋

あらい

美味しんぼ:鯛ふじのジェフのエピソードで、水に浸せば魚の旨みが逃げてしまうので包丁で氷を削り、それで冷やすことが洗いの最高の料理法

おせん:あらいは製氷機のない時代からある調理法、脂の強いスズキを井戸水で洗うことにより脂と生臭さを取り除き、さっぱりした旨みを水とともに味わうもの。さっぱりとあか抜けた味わいの五白(白米、豆腐、大根、白身魚、白魚)にこだわったものが江戸料理。

お米

美味しんぼ:至高のメニューと究極のメニューの対決でそれぞれとコシヒカリとササニシキが出てきます(それが日本でポピュラーな銘柄米というだけの理由みたいで説明なし?)

おせん:料理を引き立て、和食に合うのがササニシキ、洋食にあい、米自体でも旨いのがコシヒカリと2つの特性を分析しています(6巻)。

ハンバーグについて

美味しんぼ:9巻で元美食倶楽部の料理人が赤身の最上級の肉で作ったハンバーグ、無農薬の野菜でハンバーガーを作りました。これはハンバーグが旨過ぎて全体の調和を乱してしまうという山岡さんのアドバイスからパンを全粒粉で作り、最後には海原雄山すら納得させます。

おせん:8巻で外国人の娘のスージーが作った最高級(松阪牛)の肉の最高の部位(霜降り)で作ったハンバーグにその父親は納得しません。一方、おせんは普通に食べてうまいところをわざわざミンチにしてハンバーグにすることを否定しています。おせんは様々な部位(ランプ、牛タン、上ミノ)を自分でミンチにしたハンバーグを作りスージーを納得させます。ハンバーグとは全ての肉を無駄なく使い切るという西洋人の食肉文化における”始末”の思想からきているものだと作者は言いたかったのだと思います。

山葵について

美味しんぼ:山葵は外側を剥いて鮫皮のおろしで細かくすりおろし、山葵の効きを良くするのが通。わさび田の所有者は、このやり方以外ではわさびを粗末にされた、こんな奴の家には娘を嫁にやれんとぶちキれます。

おせん:美味しんぼのやり方で自分で新鮮なスリオロシ?をする料理屋を否定しています。山葵は丸のまま墨を研ぐ要領で普通のおろしですりおろし、蓋をして香りを落ち着かせたものを良しとしています(2巻のお茶漬けのエピソード)