2015年03月09日 月曜日   メルケル首相発言の逐語訳 え~、乗りかかった船なので、下で書き込んだメルケル首相の発言部分を逐語訳してみました。この部分、ベルリン在住の日本人教授(化学)との対話形式でビデオで見るようになってます。5分足らずの短いインタビュー。最後の質疑がエネルギー問題です。ちなみにこの若い先生は、30歳でベルリン工科大学の教授を拝命されたそうです。 質問:日本、あるいは福島について質問したいと思います。私は福島出身なもので。日本、特に福島は2011年の大地震、津波、そして原発事故で大きな被害を受けました。日本のイメージは残念ながら、このことで悪化しています。どうすれば改善できるでしょうか。 メルケル首相:はい、この恐ろしい事故については、非常にお気の毒なことでした。ドイツでもあの後、重要な決定が下されました。つまり、より急いで原発から離脱しようということです。われわれはいま、非常に再生エネルギーに賭けています。日本も、その道を行くべきだと思いますし、行っていると思います。そして、特にドイツと日本で、この道を一部いっしょに行くべきです。つまり、私は日本で、再生エネルギーの拡大について話をするつもりです。もちろん、私たちは「ベースロード」と呼ぶものも必要です。日本は島(単数)です、いや島(複数)ですね。ですから部分的に資源の問題を抱えています。それゆえ、われわれ(日独)は、原子力に関しては多分、若干違った道を行っています。ただ、私としては福島の経験から言えることは、安全こそが至上命令ということです。ドイツ首相として私はいま、福島の経験を踏まえ、できるだけ早急に原子力エネルギーから離脱することを進めています。 2015年3月8日 日曜日   メルケルが日本に脱原発呼び掛け? もう寝たいから簡潔に。「メルケル首相が日本に脱原発を呼び掛けた」という話があちこち出回っているようで、「あり得ない話だ」と思って先ほど、ドイツ政府のサイトで原文見ました。ここにあります。http://www.bundeskanzlerin.de/Content/DE/Podcast/2015/2015-03-07-Video-Podcast/links/download-PDF.pdf;jsessionid=4600D62F0EDA465CABF7174164BE83B5.s4t2?__blob=publicationFile&v=3 該当部分はこうです。 Ja, wir haben ja sehr mitgefühlt bei diesem schrecklichen Unfall. Und Deutschland hat damals auch weitreichende Entscheidungen getroffen, nämlich schneller aus der Kernenergie auszusteigen. Wir setzen jetzt sehr auf erneuerbare Energien. Und ich glaube, Japan sollte auch diesen Weg gehen – und geht ihn ja auch. Und wir sollten ihn vor allem in Deutschland und Japan auch ein Stück zusammen gehen. Das heißt, ich werde dort auch über den Ausbau erneuerbarer Energien sprechen. Natürlich brauchen wir auch das, was wir „Grundlast“ nennen. Und Japan als eine Insel – oder mehrere Inseln – hat natürlich zum Teil auch ein Rohstoffproblem. Deshalb gehen wir vielleicht auch etwas unterschiedliche Wege, was die Kernenergie anbelangt. Aber ich kann nur aus der Erfahrung von Fukushima sagen: Sicherheit ist das oberste Gebot. Und ich als deutsche Bundeskanzlerin habe mich hier jetzt – mit der Erfahrung von Fukushima – dafür eingesetzt, so schnell wie möglich aus der Kernenergie auszusteigen. 日本に「同じ道を歩むべきだ」と言っているのは、どう読んでも「ドイツは再生エネルギー拡大に賭けている」という点に関してです。原発については、「日本は島国で資源の問題がある。だからわれわれ(日独)は多分ちょっと違う道を歩んでいる」とはっきり言っております。 まあ、職業柄調べてしまいますが、この曲解のネタ元もだいたいわかりました。原発賛成の人も反対の人も、ネットではずいぶんとエキサイトしているようです。この煽りには乗らない方が賢明かなと。ま、ドイツ語なんかできなくても、主権国日本に対しドイツの首相がこういう物言いをするはずがないということはわかると思います。こういう報道は率直に言って「恥ずかしい」と私は思います。以上、取り急ぎ。