米国の教科書によれば、旧日本兵は毎日4~6回、慰安所に通ったことになる-。現代史家の秦郁彦氏ら日本の有識者19人が発表した声明では、事実無根の記述とともに荒唐無稽な誇張表現も指摘した。

「慰安婦たちは、一日あたり、20人から30人の男性の相手をさせられた」。マグロウヒルの教科書では、慰安婦の勤務実態について、こう表現している。

その前段で慰安婦の人数を「約20万人」と記述していることから、秦氏らの声明は、単純計算で旧日本陸軍は慰安婦から毎日400万~600万回の性的な奉仕を受けていたことになると指摘。昭和18(1943)年当時の旧日本陸軍の兵力は100万人だったことを考慮すると、全員が「毎日4~6回」慰安所に通ったことになると分析した。

秦氏は「兵士たちは戦う暇がないほどで、それほど誇大な数字が教科書に記述されている」と話した。