少し興味をもった人のために数字を少々並べてみよう。まずヨーロッパ。過去5年間に起こったテロ攻撃のうちイスラム教徒による犯行は何%だと思う? 正解は2%未満である。

ユーロポール(欧州警察機構)が昨年発表した報告で書いてるように、欧州のテロは分離主義グループによる犯行がほとんどだ。たとえば2013年ヨーロッパで起こったテロ攻撃は152件で、うち「宗教的理由」による犯行はたったの2件。逆に民族国粋主義や分離主義思想の者による犯行と断定されたものは84件にものぼった。

具体的にどういう犯行のことを言ってるのかというと、たとえばコルシカ島のフランスからの国家独立を求める「コルシカ民族解放戦線(FLNC)」、ここは2013年12月、フランス国内2つの市で警察署に同時爆破テロを仕掛けている。2013年後半ギリシャでは極左の革命的人民闘争軍が、右派政党「黄金の夜明け」の2人を射殺した。イタリアでは「無政府主義者連盟(FAI)」が記者に爆弾を送るなどのテロ攻撃を繰り返した。いちいち書いたら枚挙にいとまがない。