・   選挙関連で世論調査が初めて大きな注目を浴びたのは1936年、民主党ルーズベルトvs共和党ランドン。あるメディアは300万人をも対象に調査士、ランドン勝利を予測したが結果はルーズベルト勝利。この時、そこは大規模に「電話調査」をしたのだが、当時は電話を持つ家=富裕層という偏りがあった(笑)。ちなみに今もつづくギャラップ社はサンプリングを厳密に行い、1000人規模の調査でルーズベルト勝利を予測。「数の多さよりランダム・サンプリング」を決定付けたといわれる。

  ・  村上ファンドが阪神電鉄を買収した際、タイガース上場の是非が議論になった。ライブドアで賛成7割、反対25%。ライブドアは当時、創始者ホリエモンのイメージが強い。既成勢力に挑む新興実業家、という点で堀江と村上はイメージの共通性があり、ライブドアの投票者はホリエモンファン→村上にも好意的 との偏りがあった。ちなみにデイリースポーツの調査では反対93%。どういう偏りかはいうまでもない(笑)

  ・ これは真面目な話、もっと厳密な世論調査でも発生する。比べてみると内閣支持率や政策では、その新聞の論調に応じた数%の差が出ることが多い。これはその社が操作してるとかの陰謀論より(笑)、回答をお願いするとき、一定の人数は「朝日の調査?わしゃアカい朝日は嫌いじゃ!!がちゃん」「ヨミウリ?ナベツネ氏ねや!!ガチャン」…と、その社の論調が嫌いな人の回答がやや減るためであろう、と推測されている。

  ・ 漫画「かってに改蔵」で「”セクシーな服”のアンケートをとったら、他の町ではボディコンなのに、なぜか秋葉原だけメイド服がダントツ一位」というネタがあった(笑)。いやこれ、「世論調査と母集団」の問題を分からせるために、マジにいい例ですよ(笑)

・   上の河野太郎や「みんなの党」にも関わるのだが、あるとき朝日新聞の調査で、トップの支持率だった安倍晋三につづく2番手に福田康夫が浮上、一躍注目を集めた。ただ、それは以前は自由回答で候補を挙げていたものを、その時から選択肢を用意して選ばせたためのものだった。とくにリベラル層などが、民主党や社民党党首の選択肢がなくなると、次善として親中派の福田を選ぶなどが起きる

・   そういう点では、「状況に応じて柔軟に選択肢や設問を変えるか」「過去との継続性、変化をみるために設問をムリにでも長く変えないか」は永遠の議論。

・   もともと世論調査というのは「それが本当に正しいの?」と聞かれても多くは証明しにくい。そういう点で、衆院選や参院選などの最終結果と、事前の各社の予測は「答え合わせ」の機会でもある。だから各社は力を入れる。

・  議員はともかく一般党員・サポーターの投票結果が世論調査とあんまり差があるときは「みたか大メディア、世論調査!」というよりは「民主党の内部って、こんなに一般世論とかけ離れてるのか」が正しい推論かも(笑)

・   そもそも、世論調査はあてにならん!と政治家はいいつつ、けっこう自分たちの選挙の時はやっぱり調査会社に頼って詳細・精密なデータを作り、てこ入れや遊説先決定の参考にしている。この時はやっぱりランダム・サンプリングを使い、ネットのアンケートは参考にしないらしい(笑)