検閲を受けた写真を見ると、その選ばれ方に驚いた。消された写真には、みすぼらしい兵舎とともに怒った顔の保安要員や、パスポートをチェックする政府当局者が写っていた。これに関しては納得も出来た。しかし、他の写真は私の目には無害で、それどころか素晴らしい風景に見えた。トウモロコシ畑の横を並んで歩く老夫婦。家の中から手を振る地方の一家。眠った赤ちゃんを自転車の後ろに乗せて走る母親。国境近くの通関の建物の横にあるバレーボールコートの写真も消されていた。

これらの写真が、なぜ、北朝鮮のガイドラインにそぐわないのか、私には謎だ。もっとも、世界で最も孤立したこの国についていえば、多くのことが謎なのだが。